民主化デモで混乱が増すなか、香港に行ってきました。
日本のニュースでは、空港をデモ隊が占拠したり幹線道路が封鎖されたりといった映像が、このところ毎日のように流れていました。警官が学生に発砲したことで、さらに学生たちの抗議はエスカレート、大学に立てこもり徹底抗戦という香港大混乱≠フ印象です。
帰国後、冗談交じりに「よく生きて帰れましたね」などと言われましたが、香港全体が戦場のような状態にあるわけではありません。混乱の中ではありますが企業などの経済活動が営まれ、香港住民の日常生活は続いているわけです。
今回は、ビジネス上のお付合いのある方の家にお世話になりました。国際的に事業を展開する企業のオーナーの親族で、香港以外にもマカオやアメリカに住居を持つお金持ちです。
空港は、一時のような混乱はなく、以前に訪れた時と大きく印象は変わりませんでした。中心街で中国粥の昼食をいただき、夜は海に浮かぶレストランとして有名な「ジャンボキングダム」を見下ろす高級レストランで贅沢なディナーをご馳走になりました。民主化を求めて命がけの抗議をする若者がいる中、後ろめたさを感じながらも、以前と変わらないきらびやかな繁華街の様子に多少の安堵を覚えました。
それでも1週間足らずの滞在中に、封鎖された道路や、上空をホバリングする政府関係と思われるヘリコプターなどを見かけました。相場の何倍もの値段で香港の不動産が買われているなど、経済的にも大陸政府の影響が強まってきているようで、多くの香港市民の気持ちは民主化デモを応援していることを実感しました。
帰国して数日後に香港区議会選挙がおこなわれ、民主派が圧勝しました。香港の行政長官の選挙は親中派による間接選挙ですが、この区議会選挙は市民の直接選挙であり民意が反映されます。
民意がそうだからといって中国離れが進むかというと、そう簡単なものではなさそうです。香港では「習近平は稀代の独裁的」と感じている人が多いと言われていましたし、そもそも800万市民も民主派の一枚岩ではありません。いろいろな思惑の渦巻く多様性があります。
洗練された高層ビル群、きらびやかな高級レストラン、雑多で熱気ある下町の繁華街・・・。アジアの金融ハブ都市が今後どう動いていくのか注目していきたいと思います。
(写真=レストランからの夜景) |