「格差社会」という言葉をよく耳にします。あまり歓迎すべきことではないのですが、不動産においても、その傾向が強くなっていることを感じています。
不動産の価値を左右する条件としては、「地域のブランド性(いわゆる地位=じぐらい)」「駅からの距離」「周辺環境」など、立地がもっとも大きいものです。社会情勢や住む人の意識は変化していますが、この基本は変わっていないし、これからも変わらないでしょう。
実際、「駅近物件」の資産価値は安定しており、物件によってはバブル時代の価値を超えるものも見受けられます。反面、地価が毎年のように下がり続け、物件価値が大きく下がってしまったという事例もあります。
今年の地価公示を見ると、東京23区の最高価格は5050万円で、バブル期の3850万円を上まわっています。一方大阪の最高価格は1400万円で、バブル期の3500万円にはまだまだ及びません。
このように東西格差も大きいのですが、同じ地方でも都市圏と田舎、同じ地域でも「駅近」かどうかでこれまで以上の差が開いています。
そのような中、『不動産格差』(長島修・日本経済新聞出版社)というドンピシャなタイトルの本が出ています。
少子高齢化が進んでいるにもかかわらず、新築住宅の建設や相続税対策のアパート建設が続いています。そのため、供給過多で全体的には住宅価格は下落していくなか、一部の人気物件とのコントラストがますますはっきりすると予測しています。
人気物件の象徴とも言えるのが「駅近」です。高齢化の影響があるのでしょうか、「駅近」の定義が変わってきているようです。マンションの場合、5年前は「駅まで徒歩10分」で良かったのですが、最近は「徒歩7分」が目安で、それを超えると極端に買い手が少なくなるとのこと。
不動産物件の格差が際立ち、不人気物件が淘汰されるように、不動産を扱う会社の淘汰という話も聞きます。時代の変化に対応できるよう、世代交代も視野に入れながら、しっかり生き残っていくための努力を怠らぬよう自分にい言い聞かせています。 |