2018年も残すところわずかです。来年の4月には今上陛下が譲位され年号が変わりますので、まもなく平成最後の大晦日を迎えることになります。
さて、皆様にとって今年はどんな年だったでしょうか。
国際的には、朝鮮半島情勢が大きな話題になりました。4月の南北首脳会談と6月の米朝首脳会談を、マスコミはこぞって最大級のニュースとして扱いました。しかし、その後に大きな進展があったという実感はなく、その他にも世界の課題は相変わらず山積しています。
一方、スポーツの世界では日本人アスリートの活躍が明るい話題をもたらしてくれました。
2月の平昌オリンピックでは、フィギアスケートの羽生結弦選手の連覇、スピードスケートの小平奈緒選手や高木姉妹の金メダルをはじめ、日本人選手の活躍で冬季オリンピック史上最多の13個のメダルを獲得しました。
大坂なおみ選手は8月の全米オープンに優勝、大谷翔平選手はメジャーでの新人賞を受賞するという世界的な快挙を成し遂げました。
12月の卓球グランドファイナルでは、男子シングルスで張本智和選手、女子ダブルスで早田ひな・伊藤美誠ペアが優勝。フィギアスケート・グランプリファイナルでは、紀平梨花選手がロシアの強豪を抑えて優勝しました。いずれも10代の若い選手ですから、よけいに希望を感じます。
他にも、サッカー・ワールドカップやバトミントン、高校野球などなど、スポーツの醍醐味を味わうことができた年でした。
学術の世界では、本庶佑・京都大学特別教授がノーベル医学生理学賞を受賞しました。本庶教授は神戸医療産業都市推進機構理事長でもあり、神戸市民としても嬉しいニュースでした。
そのような中、世界のビジネス界を驚かせたのは、日産自動車のカルロス・ゴーン氏の逮捕でした。ゴーン氏の逮捕をめぐっては、現在もまだ捜査中であり真相解明はこれからですが、日産復活の立役者が一転、地に落ちてしまいました。
ゴーン氏逮捕に対しては、さまざまな意見があります。ホリエモンこと堀江貴文氏は、雑誌『週刊プレイボーイ』の対談で「検察は人権無視」と批判し「そりゃ、日本の会社の経営をやろうとする外国人は減るよな」と語っています。一方、評論家の石平氏はツイッターで、故・土光敏夫氏に触れ「日本的企業家精神を取り戻すべきではないのか」と語っています。
東芝の再建をしたあと経団連の会長になった土光氏は、「メザシの土光さん」と呼ばれるほど質素な生活をしたことで知られています。企業再建のための経営合理化の陰で泣いた人を思うからこそ自分は質素な生活をしたのでしょう。
グローバル・スタンダードの名の下に日本的経営が批判され、新しい経営スタイルで躍進する企業が現れ、日本の経済を引っ張ってきました。反面、ブラック企業とかワーキングプアという言葉に象徴されるようなマイナス面も目立つようになりました。
今の経営者に、土光氏の真似をしろとまでは誰も言えないでしょう。しかし今回のゴーン氏逮捕の衝撃は、あらためて経営者のあり方を問い直すことになったと、自戒を込めて感じています。
日本のビジネス界にとっても来年が明るい年となるように願います。みなさま、今年もお世話になりました。どうぞ良い年をお迎えください。
(写真:全米オープンで優勝した大坂なおみ選手、ゴーン氏逮捕を伝える11月20日付毎日新聞と土光敏夫氏。大坂選手の写真はNHKテレビ中継録画より。土光氏の写真は、財界研究社『財界』新年特大号より) |