コラムのために9月を振り返ってみると、まずは「異常な暑さ」が頭に浮かびます。年々、夏が長くなっているように感じ、ちょっと心配になってきます。
次に浮かぶのは自民党総裁選挙、それに兵庫県知事の問題。この2つの話題は、連日マスメディアのトップで扱われました。岸田首相が早々に「撤退宣言」し、史上最多の9人が名乗りを上げる異例の総裁選となりました。政治好きのおじさんたちが、飲み屋で話題にするには格好のネタだったと思います。
これまでと違ってきたのは、特に若い人たちは、テレビや新聞などの主流メディアではなく、SNSなどインターネットからの情報を信用する傾向にあることです。左派系の強い主流メディアに対して、それに反発する右派の情報がネットでは多く流れていたように思います。
実際、主流メディアが持ち上げていた小泉さんや石破さんよりも、ネットで人気のあった高市さんが、最初の投票で1位になりました。保守派は色めき立ちましたが、決選投票は、ご存じの通りの結果となりました。保守色の強い高市さんが首相になることを危惧した議員たちのバランス感覚が働いたとも言われていますが、いろいろな思惑や実力者たち影響があったのでしょう。
兵庫県知事の問題は、「パワハラ」とか「おねだり」など、視聴者が食いつきそうな話題から始まって、ワイドショー的な関心を引く方向にまっしぐら。そのため世間は「叩いて当然、辞めて当然」といった空気になりました。
世間が斉藤知事批判で一色になると、議会も全会一致で不信任決議を可決しました。名前が同じだから同情するわけではないですが、誰一人異論を唱えることなく、マスコミや世間におもねったような兵庫県議会の判断には失望しました。「全員一致の多数決は無効」というユダヤの格言は、言い得て妙ですね。
明るい話題は、今月もスポーツです。大の里の2度目の優勝、史上最速で大関に昇進したことが印象的でした。元日の地震に加えて、豪雨災害で苦しい思いをしている地元の石川県について「絶対優勝を決めて明るい話題を届けたいと思っていた」と話しています。伝達式では、父の教え「唯一無二」を口上に入れたことも、ぐっときました。
さて、息子に代表取締役を譲って2か月あまり。私は何をすべきか、会社はどちらに進んでいけばいいのか、どこに鉱脈があるのか。正直、大の里のお父さんのような名言を息子に託しているわけではありません。新社長を見ていると、口を出したくなることもいろいろあります。手抜きせず、ずるをせず、正直に一つ一つの仕事をこなしながら、手探りで進んでいく・・・そんな背中を見せることくらいしかできないのかなと、少し涼しくなった秋の夜長に考えています。
(県庁近くで配られていた神戸新聞号外)
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