風薫る5月と言われるように、爽やかな季節となりました。本来なら1年のうちで最も心が躍る月だと感じる人が多いのではないでしょうか。しかし、コロナ禍の中ではせっかくの新緑の季節もゴールデンウィークも心が重いままで過ぎ去っていました。
ようやく5月8日から、新型コロナの感染法上の位置付けが2類相当から5類になり、今年は本来の5月を迎えたように感じます。観光地にも街にも人通りが戻ってきました。これまでは、人の多さにうんざりしたこともありましたが、今年はむしろほっとする気持ちになります。
マスクをしている人もぐんと減りました。電車の中など、これまではマスクをしていないと周りから睨まれているようで、うっかり忘れたら慌てて薬局に買いに走らないといけないほどでした。そんな状況がかなり変わり、街ゆく女性たちの服装も明るく爽やかだし、マスクなしではしゃいでいる子供たちも、「待ってました」とばかり、みんな本来の5月を楽しんでいるように感じます。
そんな中、もう一つ嬉しいことがありました。何年にもわたって毎月書き溜めてきたこのコラムをまとめた書籍『神戸の不動産屋が見た世界』を3年前に出版したのですが、この本が少し仕事をしてくれました。
仕事上、長くお付き合いしているお客さんで、プライベートでも何かと親しくさせていただいている方がいます。この方の不動産上の取引のお相手と仲介交渉をする際にこの拙著を差し上げました。幸いにも、私がこの本に綴った内容に共感していただいたようで、交渉がスムーズに進んだのです。
たわいもない私の日常や、国内外のニュースに対して感じたことや思うことを素人なりにあれこれ書いた本なのですが、自分で読み返してもその時々の出来事やその時の気持ちを振り返ることができます。街の小さな不動産屋でも世界の情勢と繋がっていること、また苦しい状況も意味があって、周りに助けられている実感、だからいつも感謝しかないことなど、そんな内容や私の人柄に親しみを感じていただいたのなら、多少の無理をして本を出版した甲斐があったと嬉しく思います。
昨年に比べれば仕事も比較的順調で、そんな明るい気持ちを後押ししてくれているのですが、気を抜けない状況もあります。建築資材の高騰によって住宅市場が低迷している現状、少子高齢化が加速する中でのビジネスモデルの見直しの必要など、課題を息子と話すことがあります。拙著に書いた通り、街の小さな不動産屋も国内外の情勢と繋がっています。不穏な国際情勢や国内景気など、この爽やかな気分を壊さないように好転してほしいと切に思います。
(リニューアルされた東遊園地で遊ぶ子供たち) |