8月の下旬になっても寝苦しい夜が続いています。みなさまいかがお過ごしでしょうか。
私はといえば、この夏は心身ともにきつい日々でした。これまで経験したことがない感覚と言っていいかも知れません。というのも、8月早々に夫婦そろって新型コロナ陽性と診断され、お盆明けまで自宅待機でほとんど仕事ができませんでした。
まだまだバリバリの現役を自負していますが、客観的にはふたりとも「高齢者」と言われる年齢になり、周りから心配されましたが、さいわい、入院するほどの重症化はせず、夫婦ともども数日間で症状はおさまり、現在は元気に復帰しています。
以上は個人的なことですが、もうひとつショックを受けたのが、安倍晋三元首相の銃撃事件でした。在任中からマスコミでは、政権の負の面ばかり取り上げていましたが、私は一経済人として日本の舵取りを長きにわたって担ってこられた安倍首相を評価し敬意を抱いていました。
一度目の政権は、1年ほどで「挫折」と言ってもいい終わり方をしました。その後に再度チャレンジされたことも異例でしたが、二度目は人が変わったように次々と経済政策を打ち出し、日本の経済を活性化させました。さらに、これまで左派の顔色を窺って及び腰だった安全保障の面を充実させたことも、日本にとってはありがたいことだったと思います。
また外交においても、これまでの日本の首相にない活躍をされたと思っています。アメリカ大統領から頼りにされ、ロシアや中国とも堂々と交渉するなどの活躍に感心していました。
亡くなってすぐ、世界中の首脳などから功績を称える追悼文が届いたことが報道され、私が思っていた以上に偉大な政治家だったことがわかりました。盟友のトランプ大統領はもとより、インドのモディ首相のやブラジルのボルソナ大統領など、これまで先進国への不満を持っていた国々の首相からも、安倍元首相の世界的な戦略への感謝が綴られていました。
曲者で手強いプーチン大統領とも辛抱強く何度も会談を重ねて信頼関係を築き、中国とも単に対立するのではなく互恵関係を築くべきという戦略は、現代の平和戦略として評価できるものだと思います。習近平主席からも丁寧な弔電が届いたことはそれを証明しているのだと思います。
報道は、最初のうちこそは安倍元首相の功績を紹介しましたが、その後はワイドショーを中心に、犯人の母親が信仰していたとされる新興宗教の話題ばかりを取り上げるようになりました。世界的に評価され、日本国民としては誇るべき偉大な政治家の死を悼むことを放っておいて、スキャンダル的なバッシングばかり行うメディアには辟易とします。昭恵夫人、またお母様の洋子さんはじめご親族にとっても極めて失礼だし、「これからの日本はだいじょうぶか?」と、この国の行く末への不安が拭いきれない毎日を過ごしました。
長くなりましたが、このような国内の現状と個人的な事情とで、この2ヶ月弱の間は心の重い期間でした。これまで何度も書いたように、世界の大きな動きが小さな不動産屋とも無関係でないと思っているので不安は募りますが、かと言って落ち込んでばかりはいられません。外交評論家でも政治評論家でももなく、一介の現役経営者なのですから、目の前の業務や資金繰りなどなど、足元の火を放っておくわけにはいきません。
酷暑が終わりに近づき、さわやかな季節の気配もだんだん感じられる時期になります。ありがたいことに体調も回復しましたし、気候の良さを追い風にして気持ちも整理して、再出発しなければいけないと自分を鼓舞しているところです。
(写真は2019年6月、G20サミットでトランプ大統領とインドのモディ首相との首脳会談=日本経済新聞Webサイトより) |