9月3日、菅義偉総理大臣が自民党総裁選に出馬しないことが驚きをもって報じられました。
雪深い秋田の農家に生まれ、地元の高校を卒業して東京で就職、その後横浜市議から叩き上げで衆議院議員に。第2次安倍内閣の官房長官を長きにわたって務め、ついに総理大臣まで上り詰めた苦労人です。前回の総裁選では、「私のような普通の人間でも、努力をすれば総理大臣を目指すことができる。まさにこれが日本の民主主義じゃないでしょうか」と話し、それが現実のものとなりました。
しかし、今回の総裁選挙では八方塞がりの状況になってしまいました。
7月頃から新型コロナの感染拡大、緊急事態宣言の延長で国民の不満が広がり、内閣支持率は落ちていきました。その最中におこなわれた横浜市長選挙では、菅首相が推した候補が大差で敗北、総裁選後の衆議院選挙は菅さんでは戦えないという不安が自民党内で出ていたようです。
マスコミでは菅内閣の足を引っ張るような報道が多かったのですが、私は菅総理はとても立派に仕事をされたと思っています。
安倍元首相が突然辞任を表明したと時には衝撃が走りましたが、官房長官として内閣を支えてきた菅さんが総理になったことで、国民に安心感が広がり大きな混乱が避けられたと思います。
就任後は携帯電話の値下げ、デジタル庁の創設、コロナ対策としてもワクチン接種の急速な普及など、具体的な仕事を着実にこなされました。
他にも、前政権から積み残された課題を次々に処理していったと専門家からは評価されています。しかし、菅さんのキャラクターとして「黙って仕事をする」タイプで、説明をしない、広報が下手だということがネックになりました。もともとショートリリーフで仕事をして、あとは後進に道を譲るという気持ちだったのかも知れませんが、世間の評価が低いのは残念なことだと思います。
そして、東京オリンピック・パラリンピックの開催も、菅政権の功績だったと思います。開催に反対・消極的だったマスコミや知識人も、アスリートの感動的な活躍とそれによって力づけられた国民の前に何も言えませんでした。活躍した選手たちが口々に、開催に尽力してくれた人たちに感謝していたのが印象的でした。
海外メディアの中には、コロナ禍での開催を「日本だからできた」と伝えたものもありました。確かに多くの関係者やボランティアの尽力は大変なものだったと思いますが、私は、苦労人・仕事人の菅政権だったらできたとも言えると感じています。
いまのところは、菅政権の評価はあまり芳しくないかも知れませんが、のちの歴史では高く評価されるのではないかと思います。菅義偉総理、本当におつかれさまでした。
(写真は、菅首相の総裁選不出馬を伝える9/3付け読売新聞号外) |